管理栄養士・
公認スポーツ栄養士
伊藤 あゆみ
日本スポーツ協会(前・日本体育協会)・日本栄養士会公認スポーツ栄養士に認定。現在は主に、アスリートやダンサーへの個人サポート、また、セミナー講師としても活動している。
上手にお肉をとって、からだづくりも疲労回復もしっかり!
“良質のたんぱく質”というフレーズを耳にしたことがありますか?たんぱく質は多数のアミノ酸が組み合わさったもの。そのうち、体内で合成できない「必須アミノ酸」の量とバランスがよく、からだづくりに効率的に利用できる食品のたんぱく質を“良質のたんぱく質”と表現します。お肉は“良質なたんぱく質”をふくむ食品のひとつ。あわせて、ビタミンやミネラルの供給源でもあります。
運動によって筋肉などからだのたんぱく質の分解が進みますが、これをきちんと補修して回復させていくことの積み重ねで、アスリートの強いからだがつくられていきます。ここで重要になってくるのが、十分なエネルギー補給と、“良質のたんぱく質”。たんぱく質は運動直後だけでなく、1日をとおしてコンスタントにとるのがからだづくりの秘訣です。魚や卵、大豆・大豆製品とローテーションしながら、お肉も積極的に活用していきましょう。
※写真はイメージです。
たとえば、運動後の夕食にお肉を食べるなら、こんな工夫が!
先に書いたようにお肉はたんぱく質を含む食品ですが、実は種類によってその他の栄養素や成分の特徴が違います。たとえば、豚肉には糖質をエネルギーに変えるサポート役のビタミンB1、鶏むね肉には疲労回復の効果があるイミダペプチドが含まれます。また、アスリートのパフォーマンスにも影響する貧血の対策には、鉄の多い牛肉が役立ちます。
ハードな運動で疲労した時は、内臓のはたらきが抑えられて消化吸収力もダウン。さらに、夕食が遅い時間になるなら、睡眠への影響も気になります。そんなときには、蒸したり、ゆでたり、網焼きにしたりと、脂質をひかえた調理法がおすすめ。大根おろしを添えて、消化を助ける工夫をするのも良いですね。